MD-11
スペック
機種名 | MD-11 | MD-11F |
販売開始年月 | 1988.12 | 1990.3 |
販売終了年月 | 1998.1 | 2009.8 |
販売価格 | 215,000 | 201,000 |
クラス設定 | FCY | Cargo |
最大定員(人) | 410 | - |
最大積載量(t) | - | 71 |
航続距離(km) | 12670 | 7320 |
巡航速度(Mach) | 0.82 | 0.82 |
燃費 | 7.2 | 7.2 |
満足度(販売開始時) | 103 | 101 |
リース | - | - |
SO | ◯ | - |
解説
マクドネル・ダグラス社が開発した中長距離用の機材であり、民間旅客機最後の三発機でもある。
先代のDC-10をグラスコクピット化、胴体の延長とウイングレットの装着、2名乗務の操縦システムにアップグレード。
こうしてMD社の次を担う、新時代にふさわしい機体として1990年に世界の空へデビューすることとなった。
(余談だが後にこの技術をつかってDC-10を近代化改修しDC-11に魔改造する副業まで行なった。)
しかしながら、販売は全く振るわなかった。
まず、設計当初の性能が出せなかった。テストフライを開始すると、想定より重くなった機体重量により航続距離の低下とエンジンの燃費が悪化してしまったことが発覚。使用機材の形状改良など対策をするが2年以上かかった。
そして販売を始めると、大型ジェット機ではB747と変わらない航続距離だが定員は2/3程度=座席あたりのコストupにつながってしまうのでB747を買う会社が続出。
三発機としてのメリットであったETOPS認定も緩和されたため、「じゃあ大西洋ルートも燃費がいいB767やA300でいいじゃん」となり、ますます敬遠された。
パイロットからも嫌われた。MD-11は燃費改善策として空気抵抗を減らすため、水平尾翼(スタビライザー)の面積を小さくした。これと同時に機体の重心を後方ろにちょっとだけずらしている。確かに燃費は良くなったが、上下方向が従来より不安定になった(いちおう対策のプログラムシステムはある)。このため旅客機としては史上最速で着陸することになった。この上下方向の不安定さが原因で全損事故を数回起こしている(フェデックス80便着陸失敗事故など)。
そして追い打ちを掛けるような出来事が起きた。まず開発遅延により第四世代のジェット機(B777やA330など)が開発を開始したため、そっちに発注を変更する会社が続出する。さらにリース後には湾岸戦争とそれによる燃費高騰が発生。航空各社はより燃費の良い双発機へ流れていった。
こうして、航空会社から嫌われ、パイロットからも嫌われ、時局にも嫌われたMD-11は発注数が激減。
会社も経営悪化のため、1993年にはボーイング社へ吸収合併される。その3ヶ月後には生産終了し、最終的に200機しか納入されなかった。
しかし「三発機で馬力はあるし、ワイドボディだから丁度いい大きさ」と航空貨物各社の間では評判がよい。そのため旅客機を貨物機に転用したモノを含め、今でもフェデックスの貨物機などを日本でも見ることができる。
ゲーム内では…
リアルと同じことがゲームでも起きている。現実は非情である。
B747から置き換えると速度低下しているので便数も減り、B767と置き換えると燃費が悪化する。とはいえB777やA340・A330が来るまで丁度よい定員なのでA300-600が飛べない中・長距離路線ならば必要とされる場面は多い。
また、貨物機の-11Fは21世紀序盤までB747の次に大きい機材となるため旅客機以上に使い場面は多い(ここまで現実再現とは……)。
MD-11.....旅客機モデル。A310やB767で開拓した路線をコレで置き換えるとかなりの収益になる。
B777やA340・A330が来ると途端に行き場を失う。悲しい。
MD-11F....貨物機モデル。こっちの方が本命になる人も多いかも。
置き換え時はA330-200Fまでほぼ独壇場(ただしB747以外に限る)。不景気を脱したらまず10機ほど買ってもいい。
コメント
- 最終更新:2023-08-26 19:30:41